税理士がコッソリ教える!税理士選びのポイント
税理士を探す目的でホームページを検索しているあなたにお送りする「税理士がこっそり教える!税理士選び/税理士探しのポイント」。初めて税理士とお付き合いする方や、いま顧問契約を結んでいる税理士の変更を検討している方に、税理士がいったいどんな仕事をどこまでしてくれるのか?といった疑問に答え、いい税理士とはどんな税理士か?を税理士の立場でこっそり教えます。
一般の方にとっては税理士とお知り合いになる機会はそうはないでしょう。そこでホームページで税理士を検索し、実際に会った時の感じで選んでみようという方も多いと思います。
ではその際に税理士を選ぶポイントはどこにあるのでしょうか?
また、いい税理士とはどんな税理士なのでしょうか?
コスト(顧問報酬)ですか?
それなら簡単ですね。
見積書を出させていちばん安い税理士と契約すればいいのですから…
その答えは「何のために税理士と契約するのか?」にあります。
「税務申告のため」
「銀行に融資資料を出すため」
「経営計画の策定支援をお願いしたい」などさまざまな理由があることでしょう。
しかしいろいろな理由はありますが、最終的に皆さんが税理士と契約する理由は
「会社発展のため」ということではないでしょうか?
この「会社発展のため」に契約するという視点をはずさなければ、大失敗することはないと思います。
以下に税理士と会うときのポイントを整理しましたので、ぜひご覧ください。
「先生にお願いするとしたら、どのような業務の流れになりますか?」
まず、この業務の流れ(税理士の仕事の仕方)についてたずねることをお奨めします。
業務の流れを聞けば、その税理士のおおよその業務品質がわかります。
その質問をして、「3ヶ月や半年に1度訪問して・・・」と税理士が話したとしたら、その方はもうお帰りいただいたほうがいいと思います。なぜならその税理士は、正しい決算書や適正な申告書を作成するという税理士の最低限の仕事を放棄していると思われるからです。
それでは毎月必ず訪問さえすればいいのでしょうか?
毎月訪問しても、茶菓子だけ食べて帰る税理士がいる、というのも聞いたことがあります。
毎月訪問するなら
勘定の残高を突合する。
消費税の課税・非課税をチェック。
固定資産(10万円以上)の請求書等とのチェック
試算表の提供および顕著な増減があった場合の経営者への質問
などは正しい会計処理や適正な税務申告のためには、最低限と考えます。
しかし月次顧問報酬をもらっていながら、3ヶ月や半年に1度しか訪問しないという驚くべき税理士がいたり、当然に行うべき作業を省略することで、非常に安い値段をつける税理士が多いのも事実です。
何もしなければ安くできるでしょうが、当然ながら品質(私たちは業務品質といいます)は粗悪となります。
粗悪な品質のものをいくら安く買っても、「会社発展のため」になりますか?
また月次巡回監査とは、本来、原始証憑(領収書や請求書、通帳など)と仕訳を、
その勘定科目や消費税の課税区分は適切か、会社の費用とするための要件は充たしているのか、
といった点まで、全てひとつひとつ照合し、確認する作業が欠かせません。
この月次巡回監査(言葉だけ巡回監査という税理士も要るのでご注意)を誠実に実行している
税理士であれば、業務品質は高いといえます。
さらに経営計画作成の支援や業績検討会・決算検討会などを実施したり、
保険指導や自計化支援にも精通していれば、より望ましいと思います。
月次顧問報酬を払っても何ヶ月も来ない税理士と月次巡回監査を誠実に実行している税理士、顧問報酬に大差があっても、当然ではないでしょうか?
また、あなたはどちらを選びますか?
「経理改善のためのスケジュールを示してくれますか?」
「経理改善はどこから手をつけたらいいのでしょうか?」
社長の見たい数字を見たいときに提出し、かつ必要な説明ができる経理マンを育てたいというご要望をよく耳にします。
また会社の発展による規模の拡大に応じて、経理マンの仕事は質量の両面で増大します。
そこで経理改善による経理のスキルアップが重要になります。
経理を社長の片腕として、資金繰りや業績管理まで報告できるようにしようとする税理士と
ただ伝票が起票できればいい、と考える税理士とは雲泥の差があります。
この経理マンの育成方針にも「会社発展のため」という視点が大切です。
では経理で一番難しい仕事は何でしょうか?
それは現金の管理です。毎日の現金出納帳の残高と手許現金の有高が一致していますか?
この現金有高を勘定と一致させることが経理改善のスタートとすべきです。
したがって経理改善において、現金管理がまず最初に取り組むべき課題となります。
現金管理ができるようになったら
証憑書のファイリング指導
伝票・帳簿(入力原簿)の整備ご支援
発生処理(売掛・買掛、未収・未払などの信用取引)の処理指導
減価償却費や賞与などの月次概算計上による月次決算の精度アップ
業績管理ツールの導入ご支援など
と課題をステップアップしながら、経理改善を進めていきます。
はじめからすべてできる経理などいません。
しかし改善しなければ、いつまでたってもできません。
そのために、何人もの経理マンの育成に携わった税理士が必要なのです。
「経営計画作成をお手伝いいただけますか?」
中小企業のなかには経営計画を作成していない会社も多いと思いますが、話をうかがうとどの会社の社長にも必ず将来の夢があります。しかし残念ながらその夢を数字にするのが苦手なようです。
とするとその夢を数字にするお手伝いができれば、経営計画は作成できるのです。
経営計画書を作成すれば、会社に数値目標ができて、さらに実績と比較することで現在のポジションを再確認することができます。
これはまさに税理士の重要な仕事だと思います。
旧来税理士は過去の処理業務が中心でしたが、経営計画の作成支援を通じて、はじめて将来の企業の継続的発展に寄与するといえるのではないでしょうか。
さらに目標とすべき業界平均値を示して、自社の強みと弱みを際立たせることにより、社長に将来の方向性を気付かせるようにしているという税理士もいます。
また経営計画発表会や計画と実績と比較するための業績検討会や決算報告会などの開催のご支援に積極的な税理士もいます。
これを積極的に行っている税理士とそうでない税理士、
「会社発展のため」の相談をどちらにしたいですか
「パソコン会計導入時にどこまでご支援いただけますか?」
パソコンが普及し財務会計のソフトも多種多様のものが発売されています。
しかし従来の経理マンはパソコンそのものの習熟度に問題がある方も多いため、
なかなかパソコン会計による自計化が進められないでいます。
そこで税理士の役割としては、
まずは勘定科目・補助科目体系の見直しに始まり、
主な仕訳や月末提携仕訳に仕訳辞書を設定したり、
操作方法に関するご質問にていねいに答える、といったことが想定されます。
しかし会社の永続的発展への貢献を第一に考えれば、税理士の本来の役割は
「社長に意思決定をするために必要な情報をお伝えする。」ことになります。
税理士が本来の役割を果すことにより、会計も手書きから端末に入力し転記等の省力化が主な目的である従来のパソコン会計から、その日までの財務データを基礎に明日の経営戦略を練るための業績管理ツール、すなわち戦略的財務情報システムとしての役割を持ちます。
つまりパソコン会計導入により最大の便益を受けるものは、経理ではなく社長である。
そう考えている税理士とそうでない税理士、おのずから成果は違ってきます。
「たまには先生が来てくれませんか?」
いくら職員が優秀であっても、税理士でないと相談できないことはありませんか?
やはりフェース・トゥー・フェイスのコミュニケーションは大切であると考えます。
いくら試算表はながめていても、何ヶ月ぶりに会った人に大事なご相談をできますか?
忙しいなかで時間は短くとも、顔を見ながら何でも相談できる税理士。
そんな税理士であって欲しくはないですか?
以上「税理士がこっそり教える!税理士選びのポイント」について、「税理士の本来の役割は会社の永続的発展に貢献すること」であるとするなら、「税理士はこうでなければならない」との思いで書きました。ここまで読んでいただいた方に感謝いたしますとともに、いい税理士が見つかりますようお祈りいたします。