≪経理改善委員会≫ 改善の5ステップ
STEP4 月次予算を組みましょう!
月次決算を組んで月次ベースの損益を正確に把握するシステムができたら、
次に月次予算を組んでみましょう。
月次決算を製品別,顧客別,地域別など各部門で分析し、
各部門の成長率や増減率を加味して、
裏付けのある予算を作成しましょう。
そうすることにより予算と実績の差異がどこにあるのか、
会社経営上の問題点が浮かんできます。
プラン・ドゥ・チェック(計画・実施・統制)とよく言いますが、
まさに月次予算と月次決算がその関係にあります。
月次予算は短期経営計画の一部として
計画・実施・統制のための基本的管理手法として用いられます。
経営管理の基本として
ぜひトライしてみてください!
月次予算の作成方法の注意点は?
予算には作成や運用にコツがあります。
予算といっても前年実績の1割増とかいう方法で作成してはいけません。
製品別,顧客別,地域別に裏付けのある予算を作成することが大切です。
つまりこの製品、この顧客、この地域の前期実績を把握し、
当期の伸び率を予測するという方法をとってください。
またこの場合、月次決算の際に編成した利益責任単位の各管理者が、
月次予算を積み上げる方法で作成しなければなりません。
この方法はボトムアップ方式といいます。
しかし、ボトムアップ方式は、目標が安全に低くなる傾向があるため、
トップダウン方式を併用し、予算編成の方針を指示しておきましょう。
ここがむずかしいところですが、予算額そのものは指示せずに
あくまで予算編成の方針だけを指示して、
各管理者が自主的に予算を作成することが大切です。
自主的に作成された予算は、予算必達のモチベーションを高めます。
月次予算はどうやって運用したらいいんでしょうか?
運用面では、予実対比の差異分析が不可欠です。
差異の生じたポイントおよびその原因を追求します。
予算の根拠が不十分な目標設定になっていたり、目標設定の際に合理的な詳細情報が不足している場合、原因が不明確となりやすいので注意が必要です。
予算に対する実績検討会議も効果的でしょう。
しかし業績の評価基準にが確立していないと逆効果の場合もあります。
実績が外部環境の変化により予算と著しく乖離した場合、
予算の修正が必要となります。
大幅な予実差異が予想される場合には、現場の予算達成意欲を保つことが必要です。
しかし現場での怠惰な業務等による予算未達については、
翌月繰越など厳しい姿勢が必要と考えます。