≪経理改善委員会≫ 改善の5ステップ
STEP3 月次決算を組みましょう!
会計事務所で作成した決算報告書は
12ヶ月分の月次試算表の合計額となりますか?
期末修正といって利益が大幅に増えたり減ったりしていませんか?
月次の試算表は会計事務所が持ってくるよというかたでも、
決算期末に大幅な修正が加えられ、今まであった利益がなくなった。
逆に当期の利益ではあまり法人税を納めなくていいと思っていたのに、
決算書を見てその納税額にビックリ・・・
これでは困りますよね。
それでは月次決算はなぜ必要なんでしょうか?
月次決算は期首から現在までの業績を把握するためには不可欠です。
会計事務所で作成する月次試算表も月次決算を組むことにより、
正確な業績管理や経営判断に有用となります
また月次決算を組み、異常値をチェックすることにより
経営上の問題点の早期発見につながります。
月次決算は、全社だけでなく部門別にも組むことが重要です。
事業や製品別の自社の長所短所を把握することができます。
部門別月次決算を商品別、顧客別、地域別、担当者別と細分化して分析すると
その分析資料が月次予算制度におけるタタキ台になります。
月次決算では具体的にどのような処理をするのでしょうか?
処理自体は年次決算と何ら変わりません。
1.まずは未収未払、前受前払の処理、
会計的にいうと、現金主義から発生主義への修正を行います。
2.次に賞与、減価償却費、固定資産税などの費用を平均化し、
月次に見積計上します。
3.そして、棚卸を行います。
これらの処理をすることで、月次決算を積み重ねた数字が年次決算をなります。
月次決算は何日までに終了すればいいのでしょうか?
月次決算は早期終了の意志をもたずにいると、
いつになっても終わらないということになります。
ひとつのめどとして翌月の10日前後を考えてください。
まずは、日々の伝票をその日のうちに処理する仕組みを作りましょう。
当座預金や普通預金を毎日記帳もできませんので、
金融機関のFAX情報等も利用したらいかがでしょう。
現金も日々処理することで管理もゆきとどきます。
次に問題になるものに請求書の締めがあります。
請求書の到着が遅れるために月次決算が終了できない、ということです。
そういう仕入先の処理については、
まずは当月仕入分の見積計上でも仕方ないと思います。
仕入先と請求書の早期到着について話し合ってください。
月次決算を平均化するためにはどうすればいいのでしょうか?
賞与、減価償却費、固定資産税など毎期固定的に要する費用は、
年額をあらかじめ見積り、等分して月次決算に計上すべきです。
また会計事務所で作成した月次試算表では、ほとんど棚卸が省略されています
しかし棚卸を省略した月次決算では、原価率が激増激減することがあります。
これでは月次損益は把握できませんね。
さらにその場合年次決算期末に実地棚卸をしますが、
期首と期末の棚卸差額により、おもわぬ利益の増減があります。
全品でなくても、主要品目や主要アイテムだけで、
実地棚卸でなくても、帳簿上の棚卸でかまいませんので、
受払記録から期末棚卸高を計算し、月次決算に反映させるようにしましょう。
月次決算を経営に役立てるためにはどうしたらいいのでしょうか?
初めて月次決算を組む場合にはいろいろと障害があると思います。
その場合には障害を取り除いていく努力はもちろんですが、
ある程度の割り切りも必要です。
徐々に精度を高めていけばいいのですから・・・
そして月次決算がある程度精度が高まってきたら
ぜひ業績の原因と対策を明確化する仕組みを作ってください。
月次業績検討会議の定例化してみるのもいいでしょう。
業績に対する責任を明確化することも重要です。
その場合、責任者には責任に見合った権限を委譲をしなくてはなりません。
つまり、責任と権限を与え、責任者において業績管理をさせる、ということです。
これは人材の充実度を見ながら、教育訓練と連動しておこなってください。
また月次決算を分析する重視する指標を持つことも必要でしょう。
ROEやEVA等の指標がはやっていますが、
自社の業務改善上重視すべき指標をはっきりさせて、
全社的な共通認識をもつことも必要かと思います。